Review
史上最高値目前
先月のBTC相場は大きく上昇。140万円台から160万円台、180万円台と順調に水準を切り上げていき、200万円で一旦達成感が出るも、再び上昇、史上最高値となる2万ドルをうかがう展開となっている。米大統領選が接戦の末、勝者が決まらない状態が続いたことを嫌気したドル売りもあって140万円台から160万円台へ値を上げたBTC相場だがバイデン当選確実の報に150万円近辺まで値を下げた。しかし著名投資家ドラッケンミラー氏のBTC保有やPaypalの本格サービス開始などもあり値を戻すと、XRPの急騰や先日BTC相場を疑問視していたファンド界の大物レイ・ダリオ氏が「見落としがあるかも」としたこともあり192万円台まで上昇、時価総額で過去最高を記録した。更に200万円にワンタッチしたが、本邦勢の利食い売りもあって170円割れまで反落したが、感謝祭明けで米投資家が戻ってくると鋭く切り返し2万ドルに肉薄している。
Outlook
12月はどちらかと言えば強い程度
11月のBTC相場は陽線引け。先月「11月は何でも買われる月」と申し上げたが米株も日本株も暗号資産も大きく上昇した。大統領選が終わり、不透明感が後退したこともアセット買い再開の追い風となった。これで2か月連続の陽線となったが、陽線が2回続いた16回の内、翌月も陽線だったのが11回(69%)。そもそも陽線の翌月が陽線になる確率も68%。12月が陽線となる確率は60%。アノマリー的には若干陽線となりやすいか。
2万ドルは突破しそうだが
先月「2万ドルの背中は見えたか」と申し上げたが、市場は2万ドル回復を目指して上昇している。この上昇を支えているのはルネッサンスやポール・チューダーの参入から始まる米国投資家のインフレヘッジで、11月も機関投資家が多いCMEの建玉は過去最高を記録し、今月もドラッケンミラーやレイ・ダリオの改宗、ゲッゲンハイムの投資申請など米市場ではドミノ倒しの様にBTC懐疑派が肯定派に転じている。
2万ドル突破後に大きな調整の可能性
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松田康生 (まつだやすお)
シニアストラテジスト
東京大学経済学部 国際通貨体制専攻 三菱銀行(本部、バンコック支店)ドイツ銀行グループ(シンガポール、東京)を経て2018年7月より現職。
短国・レポ・為替・米国債・欧州債・MBSと幅広い金融市場に精通
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